3日目に戻る

一年遅れで旅日記を再開。やっぱドイツまで旅日記もたどり着きたい。いつになるかわからんけど。

さて旅も3日目。この3日で、ずいぶん荷物をためこんだ。なので朝一番で郵便局に出向き、日本へ荷物を諸々発送。無事届くのかよくわからんけど、届いてもらわないとヒジョーに困る。7kgの制限を超えないように、目の前で荷物を出し入れしたりしながら調整。嫁は郵便グッズを購入するべく窓口と奮闘。要は「なんでそんなもんがいるんだ?わからん」ということらしい。

さて、1日目は朝から晩まで自転車と徒歩で16キロ、2日目は朝から晩まで10キロを踏破。この夏ぐらいから急に体重増加の傾向にあるせいか、なんかだるい。それでも家訓は「旅はボロボロ」。行くしかない。というわけで今日もチャリを借りようと(パスポートは諦めて)再びBIKE TOURSへ向かうも、誰もいない。たぶん日中はツアーに出ているのでスタッフを置いていないんだろうと思うけど、残念。

まあしかたがないので、結局ホテルから歩いて1分のForum des Hallsにチャリ屋があることをいまさらながら旅本で発見し、同じ道を再び戻る・・・も、こちらも「冬期休業」の看板が。冬期ってまだ10月なんすけど。

もうこれはチャリを期待しても時間の無駄だってことで、メトロに乗り込んでモンマルトル方面へ向かう。メトロ乗車もかれこれ3日目、なんだ聞いていたより安心やんとか思いつつ、4号線からBarbes Rochecouartで乗り換え2号線へ。

が、どーもこの2号線はそれまで乗っていたラインとは雰囲気が違う。なんか、ちょっとだけ天王寺あたりのちょっとだけ不穏な空気感。これまでどこの路線でもいたアジア人の姿は消え、全体的に大きな黒人さん主体で、慣れない風景だけにちょっと怖い。しかも山手線並みにギューギューで身動きも取りづらいときてる。別に誰か周囲で悪企みをしてるようにも思わないけど、ちょっとこれまでと雰囲気が違いすぎて明らかに怖い。乗車していたのはたかだか3駅だけど、パリに来て以来ずっと前掛けにしてたカバンから手が離せない感じだった。

後から調べてみると、パリはこれまで訪ねて来た南~西よりも、北~東の方が治安が悪いらしく、所得格差もすごいらしい。確かに空港からLes Hallsに向かう間も北駅やその界隈を通過してきたんだけど、なんかちょっとだけ荒れた感じはしていた(ちなみに今晩から最後の2日は北駅周辺に泊まる)。なので、そのあたりを走るメトロはどれもちょっとアブないのだとか。

で、Blancheで降りたらそこはモンマルトルの麓だ。ちょっと上がるとアメリの舞台になったカフェがあるも超満員で、その他小さい道になんか結構鈴なりの人だかりが続く感じで、なんかだるい。鎌倉か清水坂あたりをウロウロしているとだるいのと同じで、下町的な店も多いけどそれ以上に土産モン屋が目立つ感じで、想像していたよりもあまり面白くない感じだ。なので、初めてまともに見たアールヌーボーなメトロの出入り口にもそれほど盛り上がらず、なんか今ひとつの気分のままサクレクール寺院のたもとのケーブルカーへ乗車。

ちなみにこのケーブルカーもメトロの回数券カルネを使うことができて便利だった。まあたった1-2分のために回数券一枚(1ユーロちょっと)ってのも勿体ないんだけど、いちいち小銭を用意したりするような手間が省けるのは動きやすいし使いやすい。高知とかでも参考になりそうな話だ。

ここまでは旅のあとまもなくに書いてたんだけど、ここで頓挫。ここからは2010年9月、すなわち旅から約1年での記憶になるので、パパーッと書くことにする。

でまあなんとかサクレクール寺院に到着。寺院の前の階段では、やたら陽気な音楽が流れていて、しかもビートルズだったかなんだかを生演奏していて、ミョーにアメリカンな空間になっていた。まあそれはそれでいいんだけど、アメリorのだめな感じを期待しているだけに、ちょっと残念。しばし街を眺めて過ごす。

しかし地平線の向こうに山が見えないってのはやっぱりフシギ。街を超えると畑が延々と続いている感じで、この感覚はなんかないなあと思ったのだった。

寺院を下りるとまるで原宿の竹下通りのような感じ。ここでメトロの路線図の下敷きみたいのをゲット。一回クリシー通りまで出て、ブランシュの駅近くにある「三つ編みおばさん」の店を目指す。

が、朝から何度もきていた通り雨、ここにきて少し激しくなってきて、ビガール駅あたりに着いた頃には特に雨脚が強くなってきて、軒下で雨やどり。あたりを見回すとちょっとだけ歌舞伎町な感じで、ポルノショップや劇場っぽいのがあったりする。パリで一番のピンクタウンらしくて、なんか雑然猥雑としているんだけど、それでもまだ微妙にオシャレに見えるというのがなんか面白い。まあ夜とか来たら、たぶん娼婦とかいたりするんだろうけど。で、「三つ編みおばさんの店」へ。ここは日本人スタッフも在籍しているというチョコレートのお店で、嫁は大量のお土産をここでゲットした。なんつかほんまおばちゃんなんだけどキュート。日本のおばちゃんだったらちょっとムカとくるかもなあ。

さて、ブランシュ駅から再びメトロ。が、入ってくる電車の車内は、見るからになんかチョット治安悪そーな感じで、思わず躊躇する。朝のメトロもちょっと変な感じだったけど、明らかにここは悪い感じ。スリも多い路線だというので、こりゃ危ないということで2本パス。

もし3本目も変だったらタクシーかバスで移動することも考えようと思ってたら、3本目は普通だったので乗車し、2号線→13号線→サンラザール乗換→14号線でシャトレ駅まで移動。14号線はエラい飛ばすなーと思ってWikiで調べてみたら、ほとんどの路線が100年の歴史を持つメトロの中で唯一最近できた路線だとゆー。なので道路の下を走るわけでもなく、ガンガン地下を飛ばして走ることができるのだ。車内もかっこいいけど、イマイチ撮影するのは危険な感じでぼーっと車内を眺めて過ごす。この間1時間、珍しく一切写真も撮っていない。で、気を取り直してポンピデューのあたりの商店街をウロウロする。ここらへんは昨日の夜もうろついてたのでだいぶ地理観が付いてきて、また少しは度胸も付いてきて、カフェでサンドイッチを食べ、書店で本を何冊も買い込み、おもちゃ屋さんで変なサイコロとかを買ったりして一気に荷物を増やす。実は今晩からホテルを変えるので、ここらへんをウロウロするのも最後っぽいので一気に歯止めがなくなってしまった感じだ。

新しいホテルは北駅の近くのALANEというホテルで、タクシーで移動。最初の3日を過ごしたPRINCE HOTEL FORUMに比べると新しくて、またちょっとだけ広い。フロントの女性はこれまた美人で、英語もフランス語もよくわからずモゴモゴしてると大笑いしたりしはじめたり。

で、早速周辺探索へ。

・・・・が、これがホントに怖かった。特に何も考えず、駅の南にあるパサージュ・デュ・デジールを見たくて今朝乗車した4号線の真上にあたる大通りを歩いて行くと、明らかにこれまでとは違う雰囲気。

なんか、全体的に黒人街。白人もこれまで散々目立っていたアジア人もほとんど見当たらず、やたらと黒人が多い。あちこち窓ガラスも割れ、あちこちでまるで怒っているかのよーに携帯で電話をしている人がおり、美容室を覗けば店内に黒人がひしめきあい、なんかある意味初めてまともに「異国に来た」と感じさせられる街並が続くのだ。でもとにかく引き返すわけにもいかず(結局また怖い思いをするだけだし)、パサージュも見えてきたので強行突入。ここはインド系の雰囲気が強いパサージュなんだけど、引き続きなんか強烈。日当りも悪い感じで、なんかちょっとお店に入るにはせめて英語が堪能でないと怒られそうな感じ。とにかく嫁も明らかにひきつった顔をしているので、早足で抜ける。

まだまだちょっと怖い感じは続いていて、ちょっと天王寺の裏道的な感じ。さっきよりはだいぶましとはいえ、引き続きカメラなんて撮れるはずもなく、もーとにかく一回宿に戻ろう腹も減ったし!ということで北上。

途中モノプリもあったので買い物をするも、これまたこれまでのモノプリとはぜんぜん違う感じで、お惣菜とかもなんかちょっと日本人には難しそうなものばかり並んでる。結局ハムとかだけ買ってレジに並ぶも、レジの人がこれまたムスっとしていて、早口で「○▼!」とかいうもんだからビビってしまう。

とゆうわけで宿に戻り、結局嫁はここでダウン。それでおいらは夜の再探索へ。駅周辺は別に危険な香りがするエリアもなく(ただし一本ずれると危ない感じのところもチラホラ)、また書店とか時間潰しができる店があるわけでもなく、1時間くらい散策して結局戻り、ハム食って寝た。

これまでに3日間は特に怖い思いもしてなかったけど、今日はなんか違う1日だった。ミョーに危険、ミョーに怖い。せめて英語はしゃべれるようになろうよ。そう思わせられる一日だったのだ。