結局K氏とは30分くらいのはずが2時間以上のお話に。もしこれでN氏がいたりしたらホントに終わらなかったかも知れない。。。まだまだ話はしたいぐらいだけど、仕事の邪魔をするわけにもいかぬ・・・ということでそろそろ退場。
時は既に3時過ぎ。今度は事務所から少し東へ行ったところの空堀商店街へ。この商店街には、古い長屋を改築して新たに複合型の商店に仕立てた「練」「惣」「萌」があり、大阪でのリノベーションの本拠地みたいな感じになっているところだ。

まずはじめに訪れたのが「」(写真左)。地下鉄の長堀鶴見緑地線からみると、駅を出てすぐ小さな坂をあがったところにある、まさに空堀商店街の入口にある。
「練」には、それほど広くはない敷地内に14もの店舗が所狭しと入居している。ちょっと変わった和風の雑貨屋、カフェ、メガネ店、アンティークショップ、貸自転車店などなど。高松の北浜アリーをコンパクトにまとめたような感じで、狭い分北浜よりもさらに細かい建物のディティールや店舗間の空間構成、庭などの部分部分に目が行き届いている感じ。
貸自転車店なんて、なかなか商売として成り立つのかどうかわからないなあと心配になるけど、この界隈は大阪城の「空堀」の跡にあたるところらしく坂がやたらと多かったり、「練」「惣」「萌」の間はそこそこの距離があるので、意外と利用者がいるらしい。この日は雨だったので利用できなかったが。
うーん、それにしても高知でもこんな店ができたらどんなに面白いか。いつかやりたいな・・・時代は複合ですよ、複合。それも大きいのは必要ない。そしてやたらとカネをかけるもんでもない。TTTやPLATさんの入った東はりまや地区のビルとか、はりまやアルコとか、高知でも複合店舗は事例が出てきてるけど、こんな感じで建物の魅力をフル活用した事例は少ない。
まあ高知の場合、「建物の魅力」がある建物が次々と壊されていますからな。そしてかわりに駐車場かマンションが建っていってる。たかだか30万人たらずの人口でバカバカマンションつくって一体誰が住むのかよくわからないけど。・・・そんなんだったら複合店舗つくらせてくれっちゅーねん(金はないけど)。
さて、「練」からほんの少し南へ下がると、空堀商店街。まさに下町の商店街といった風情で、狭いアーケード内には八百屋に魚屋、喫茶に占い屋(!)、スーパー、本屋・・・がびっしりと続く。アーケード内で上町台地に上がるため、歩いていると結構な高低差も。吉祥寺、京都、安来、高知と様々な町で暮らしてきたけど、こういう「坂のあるアーケード」はいまだ体験したことがなくてなんだか不思議。いや、当たり前というか、全くもってなんてことのない風景なんですけどね。
しばらく歩くと、お次は「(写真右)」。こちらは「練」にくらべると相当こぶりだが、長屋が坂に合わせて段になっているのがちょっとした特徴になっている。しかし、お店的にはちょっとおいら的には興味をそそられるものは特にない。ややマダム系?
雨が強くなったり霧雨みたいになったりを繰り返す。おいら、もともとは出かけたら絶対ハレだったんだけど、最近はなんだか雨のことが多い。徐々に雨男化している・・・?なんてことを考えながら、最後の「萌」へ。

「萌」の隣には、中ぶりの真新しい公園が。マンションの山間のこんな公園で育つ子どもは、一体どんな大人になるのだろう。自分みたいな大人か?
さて、「萌」には、ギャラリーの他天然酵母パンの店やマッサージ店、アンティーク雑貨店などなど。ただしなぜかあまり開いているお店が少なくて、お客さんもわずかに数名。こちらは他の2つに比べるとややエコ系の人向きか?
さて、これらの3店舗、それぞれ似たようなコンセプトでつくられているが、意外にもどれもこれもがちょっとずつ違う雰囲気、客層を持っていた。それぞれの距離は徒歩10分圏内。そして、これらの店と店の間には銭湯の跡や長屋群など古い街並みが残り、生活の匂いのプンプン漂う商店街や意趣をこらした小さなお店がぽつぽつと点在する。まさかこんなのんびりとした場所が、心斎橋から歩いて15分そこそこの一角にあるとは。心斎橋やなんばのけたたましさが嘘のようだ。