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エルネスト・ネト展の変な服

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MIMOCAで開かれていたエルネスト・ネト展も残すとこあと2日、ようやく訪問なのだ。
前夜の深夜に及んだ飲み会の二日酔いもほんのちょっと引きずりながら、まずは南国道の駅で昼食。
A氏の母上の玄米握りなどなど田舎弁当に舌鼓を打って、どうしても取れぬ眠気を削除。
んで、下道を通って夕刻にようやく丸亀へ到着。
これまで ミモカは何回も来たけれど、入場までに長蛇の列!
なんと一時間待ちという人気なのだ。

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入ってみると、とにかくもこもこ。体で感じ、目で感じ、なにからなにまでぜんぶもこもこ。
ここは展示室だというのにDSをしている子どもあり、普通に爆睡している子どもあり。
さては変なもこもこ服を着るコーナーがあり。
変な重みのあるもこもこ服は、ついつい早足で隅っこにいきたくなる感じ。
トップの写真はおいらが隅っこへむかう様、なのだ。




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大分小旅2  『由布院美術館』

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好きな美術館はどこかと問われれば、淀みなくおいらは「由布院美術館」と答えるのだ。
象設計集団が設計したこの美術館、なんともいえぬ空間が魅力的だ。
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小さな芝生の中庭をぐるりと囲む、家のような展示室。
木と竹、土を巧みに使ったそれぞれの「家」は、派手なのに自然な色合いで塗られ、
その間をここに居着いた猫がうろちょろしてる。

小山の中の展示室。まーるい天井は、ソファのような柔らかいイメージ。
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2時間いても全然ここは飽きない。
収蔵作品自体は素朴な作品が主体で、ちょっと飽きてしまうところもあるんだけど、
それを空間が補って余ある。
そんな美術館。
とはいえ。
展望台に登れなくなっていたり
展示室の一部がカフェになっている様子だったり(ガイドブックによると)
建物の一部を茶カフェに貸し出していたりと、経営的にはちょっと苦しいのかな・・・というところも垣間見える。
まあでもそんなところが垣間見えるところも、
なんだか自然で好ましい・・・というのは盲目的になっている証なんだろうか。




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MIMOCA [須田悦弘展]

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先日、猪熊弦一郎美術館の[須田悦弘展]へ行ってみた。
チラシがなんともシンプル。
なんでも草が美術館に生えているのだとか。

MIMOCAの企画展示室は広い。高知の美術館のせんまい展示室3つをくっつけたぐらい、広くてでかい。
前回きたのは去年やっていた「風景遊歩」だったので結構ひさしぶりなんだけど、いつも濃密に、だけどとても分かりやすい展示で、いつもわくわくさせられる。
で、今回。
展示室に入ると、壁にはなにもない。海洋堂の展示のお手伝いの時よりもはるかに、なーんにもない。いうたら、人しか歩いていない感じ。
でも・・・
よくよく見ると、壁のすみっこに雑草が点々と。
10mおきくらいに、オオバコやハハコグサのような雑草が点々と。
草なんか当然生えちゃあいけない展示室に、まるで薄い光を頼りに立ち上がるかのように点々と。
ところによっては監視のお姉さんの椅子の下とかに生えていたり、下手をすれば踏まれてしまいそうな感じのところにも生えていたりして、もう床から目が離せない。四葉のクローバーを捜すのと少し似た気持ちで、どこに雑草が生えているのかわくわくしてくる。なにより、美術館で下ばかり見て歩くとは思わなかった。
正直観覧料950円はちと高い。
だけど、こんな展示を3ヶ月もやりきるMIMOCAの度胸と度量に思わず拍手、なのだ。

須田悦弘展
2006年7月16日(日)−10月1日(日)
会期中無休
  本物の植物と見間違うほどに精巧な木彫作品で注目を集め、国内外で目覚しい活躍を続ける須田悦弘(1969- )。
  須田が好んでモチーフとしてきたのは、美しく咲き誇る薔薇や百合、チューリップといった花から泰山木などの樹木の枯れ枝や落ち葉、また何気なく路傍に生える雑草といった植物にまで及びます。朴の木を削り彩色が施された木彫作品の持つリアルさという特徴はもちろんですが、欠かすことのできない要素に作家が展示空間をも含めて作品としていることを挙げることができます。1993年、初個展となった「銀座雑草論」で須田は一躍注目を集めます。自らリヤカーを引き、銀座のパーキングメーターに千利休の茶室に触発された展示空間を「駐車」し、雑草一輪が金箔貼りをされた中に活けられていました。このように自らが新たに展示空間を創り出すという場合と、既存の与えられた空間でいかに展示するかという場合が見られます。後者の場合では、須田が熟考した展示は、時に作品がどこに展示されているのか観客が探さなければならないほどです。
  今展では建築家・谷口吉生の設計による建築空間をいかに須田が見立てて作品に取り込んでいるかを体験することで、無いようで在るということを知覚するとともに須田の手による精緻な作品の感動がさらに深まることでしょう。
 
*本展覧会は丸亀市猪熊弦一郎現代美術館/財団法人ミモカ美術振興財団単独の開催であり、他会場には巡回いたしません。
 
[須田悦弘]
1969 山梨に生まれる(現在、東京在住)
1992 多摩美術大学卒業
1993 初個展「銀座雑草論」を銀座1〜4丁目パーキングメーターにて発表
以後「台北ビエンナーレ」(1998)「シドニー・ビエンナーレ」(1998)といった国際展や原美術館
(1999)、群馬県立近代美術館(2002)、アート・インスティテュート・オブ・シカゴ(2003)での個展
開催など国内外で活躍を続けている。





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アート電車を走らせたい! 

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 「高知遺産」でも特別寄稿が掲載されている高知新聞連載漫画「きんこん土佐日記」の村岡マサヒロ、マンジェササをはじめ高知でおしゃれなイラストといえばまず間違いなく・・・の柴田ケイコ、「ニンニン」で話題沸騰中のビリビリこと中平じゅんこ。

 この3巨頭が高知のイラストレーター若頭三巨頭なのである。おいらの夢というかART NPO TACOの企画として、この3人のイラスト満載のアート電車を走らせたい!
 以前県立美術館でレッド・グルームスや篠原有司男のアート電車を走らせていたことがあって、とても楽しかった(大学時代には「都市の芸術・気楽な芸術」という小論文にまとめたこともあった)。だけど、相次ぐ文化予算カットのなかで、いつしかこの電車も走らなくなってしまい(でも山奥の土木工事は、県立美術館の一年分の予算で受益者がたとえ数十人でもやっているんだから悲しいもの)、土佐電鉄の電車は再びただの広告電車だらけに逆戻りしてしまった。。。
 アート電車の企画は、それほど全国的に注目されたものではなかったけど、街中をアートが走り回るその構図というのはとても痛快で、思わず楽しげなもんだから乗る用事がなくても飛び乗ったりしたりしたものだ。。。しかもこの電車が走り出したのは94年とかそれぐらいで、かなり前になる。そして、たぶん2002年頃まではずっと走っていた。
 まあ今でこそラッピング広告とかで「アート」と見まごうばかりの電車が東京や関西では走り回っているけど、そんなのよりずっと先に、しかもはるかに本気度の高い電車が高知の街中を縦横無尽に走っていたわけである(当時は「桃太郎電鉄」の電車も走っていたから、ほんとに面白かった)。
 アートが街中を駆け巡る。ふだんアートだ美術だなんだというと、普通は美術館とかギャラリーでみるもんだということになるんだけど、そいつが街中に飛び出てきて、しかもそいつが「パブリックアート」だなんていう裸の彫刻とか禍々しいそれでなく、電車という公共の公共とでもいうべきものにダイレクトにペインティングされて走っているわけで、なんだか面白い。
 そして、広告電車はその媒体に「広告効果」があるから走っているように、アート電車にはアートに関心を持ってもらえたり、なんだこんな繪でもえいんかと(グルームス電車はある意味そんなテイストがあった)思ってもらえる?効果があるに違いない。
 というわけで、考えているのがタコ電車なのである。予算は全くなにも今の段階では考えていないんだけど、冒頭の3人にぜひこの電車をまるごと使ってもらって絵を描いてもらい、市内じゅうを走り回らせる。。。。きんこん土佐日記の120コマ漫画が左面に、ニンニンが右面一杯に、正面2面にケイコさんのヒゲ男。中は中で出張graffitiにして、個展をしてみたりとか。。。
 乗らないと観れない展覧会。それもヴォリュームたっぷりの展示にして、ごめんから伊野まで乗らないと見切れない(約60分)くらいの内容に。
 ああ夢だけが広がる。
 土佐電鉄さん、どうです一緒にやりませんか?
▼写真はイメージです

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ART HAPPEN in 土佐山田

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土佐山田町でgraffiti協賛のイベントが間もなくスタート!
 あの「赤ぱっち」も上映されます!

ART HAPPEN in 土佐山田 
 9/17〜10/10 土佐山田町立美術館 [=メイン作品群の展示会場] 
 石井葉子/市村美佐子/佐藤篤/テクノサービス/横田章/安井勝宏
同時Event各種 
 9/18 アートデリバリー[土佐山田町立美術館] 市村美佐子(+石井葉子)
 9/23 ON8[八王子宮境内] 佐藤篤/テクノサービス/+guest 福西哲雄
 9/22-23-24 ヤミイチ[出張ギャラリー(ドリーム跡地)] 石井葉子/横田章/安井勝宏
 10/9  MO8[八王子宮境内] 堀内佳子/小倉りさ/東崎曜子
 10/8- 9-10 DEN8[出張ギャラリー(ドリーム跡地)] 佐藤篤/テクノサービス
関連リンク
>ART HAPPEN in 土佐山田
>我楽多日報!
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四国漫遊記-4【地中美術館から南寺まで】

4月6日。旅も最終日。皇室なみのスケジュールで今日までやってきたが、最終日こそきつい!スケジュールで動いていくのであった。

本日は朝6時起き。結局前の日2時過ぎまでゴロゴロしていたのでそりゃ眠い。朝飯は6時半から。昨日の夜とはうってかわってかなり豪華な朝食。湯豆腐まで付いている。

8時過ぎのフェリーで高松から直島へ一時間の船旅。結構大きなフェリーで、積み込まれた車は土木用の作業車や産廃処理の車が多いように感じられた。

 宮ノ浦到着後、ベネッセアートサイトへ直行。途中やけに立体的な安全人形や草間弥生の南瓜を発見。いいねえ。のどかだねえ。やっぱり草間さんは最高だねえ〜

 

 最初に覗いたのは地中美術館。安藤忠雄設計の真新しい美術館だ。あまり事前に情報を入れずにいったのだが、ここもイサムノグチと同じで写真は一切厳禁だとビジターセンターで変なトレーナーを着たお兄さんに指導を受ける。建物も、作品も、何もかもすべて。撮っていいのはビジターセンターだけ。建築まで規制するというのはなんかおかしいと思うんですが。

 それでなんだか釈然としないまま地中美術館まで少し歩かされる。左手にはまだ自然になりきっていないビオトープが。あとで調べたらこれはモネが愛した植物を配した庭園なんだとか。

 はじめに見せられるのは、「チケットもぎり」ボックス。作品でもなんでもないチケットもぎりの人が入るための箱だが、1M×1M÷2の三角形の中に人が入っていて、チケットをもぎってくれる。どうみても苦しそう。どうみても荒行。どうみても変。この先の道程に否が応でも心が躍る。この先、どんだけ変なのか。

 スロープをあがり、エントランスへ。しばらくは安藤建築独特のコンクリートの通路を往く。すると右手にトクサの植えられたドライガーデンがあらわれ、この周囲を回りながら2Fへと入る。背の高いトクサの周囲には羽虫が少しだけ群がり、なんかラピュタの操作室でムスカが「はぁ〜うぁっ」とか言いながら虫をはねのけゴリアテをおとすシーンを思い出す。「見ろ、人がゴミのようだ」

 この間、安藤忠雄的コンクリートの壁に囲まれた空間を往く。無機物と空の対照は自然と人との関係を喚起させ・・・なんていう言葉はあまり響かない。なんだかただただ無機的。そして今度は石が敷き詰められた三角形の広場へと出る。無の広場という感じ。

 そしたらいきなりサティアンの映像で見たことがあるような白い服をまとった無愛想な女子がそこに突っ立っている。どうやら展示室らしい。第一室、デ・マリアの間。広い空間に大きな階段、中央に漆黒の御影石。周囲によく分からない金色の物体。まるで聖廟。音のない空間に光が射し込み、足音がやけに響く。無愛想な白衣の信者に向かって御影石の巨大な玉をころがしてやりたいが、たぶんそんなことをしたら変なトレーナーを着た信者に怒られそうなのでやめておいた。空虚な権力を象徴するかのようなこの空間に出迎えられることで、見る者はこの美術館の「異常性」にいきなり引きずり込まれる。

 次にジェームス・タレルの間。まず見るのはなんかよく分からない光が壁に照射されているさま。これは意味がわからん。次に通されたのがお墓の中。白い光が台形の石室に柔らかく射し込み、思いの外暖かい。ここに30分もいたら、きっと頭がおかしくなる。最後に通されたのが、青い光の間。ここだけは白衣の信者はいなくて、なんだかそこらへんを歩いていそうなオシャレなお兄さん。信徒じゃないらしい。青い間は3〜4人ずつしか入れないようになっていて、しばらく暗いベンチで待たされる。なんだかキャバクラで席待ちしているかのような錯覚を覚えるのはどうしたことか。青い光の間は、死への光。死への空気。死へと向かう道。なぜか信者に「真ん中を歩くように」としつこくいわれながら御影石の階段をのぼり、青い光が支配する空間に立つ。あまり奥に行き過ぎると警報が鳴る。その警報線の向こうには立体感覚のない壁が。触りたくても触れない光。

 それにしても警報がうるさい。昨日のお笑い番組で中川家が「マクドナルドでポテトをつくる人」の物まねをしていて、ハォワ、ハォワという仕上がったというお知らせブザーが鳴る様をしていたことを思い出す。どうにもおいらは雑念が入りすぎらしい。ちなみに、警報のセンサーをまたいでみたりするが、やっぱり鳴る。

 脱力感を覚えながら、信者とすれ違いながら最後の室、モネの間へ。床に敷き詰められた白い1cm角の大理石は柔らかく、少しだけ地上を浮いて歩いているような感触がある。部屋はそのすべてが白い空気に包まれ、すっかり見飽きたはずのモネの睡蓮もなんだか生き生きとして見える。あるブログでは「瞬間と永遠」とこの室を表現していたが、なるほどその通りだ。

 

 おいらには地中美術館は「死と生の美術館」に感じられた。作品を展示しているのではなく、まるで死生観を展示しているような感じ。作品はむろんこれを直接間接的に表現し、見る者にそれを喚起させる装置として機能する。そして、これを取り巻くスタッフはオウムの信者のように白い衣装に身を纏い、あの事件に深い衝撃を覚えたおいらにはこの空間を一つの宗教施設かのような錯覚感を与えてくれた。無愛想なのもまたこれを演出する装置なのか。何を言っても馬の耳に念仏っぽいところもそう。たぶん彼らは、決められたことしか言わない。というか言わないでほしい。笑ったりしないでほしい。「地中カフェ」もまるで斎場の休憩室のように、整然と机が並び、その上に整然と水差しが並ぶ。「いらっしゃいませ」とか言わず、静かにお茶と落雁を出してくれたらいいのに。

 おいらは作品を見るとき、いつも何かと対照させながら見る癖がある。自分の価値観や記憶と対照させながら、その作品と自分との距離感を計り、理解をしようとする。なんだかいい見方だとは思えないけど、ラピュタやオウム、斎場といった記憶(しかもかなり俗的でチープでごめん)とあまりにもぴったりとくる、そしてそれ以上の何者もないほどに死生観や宗教といったことを心の奥底から感じさせられた。ものすごく強い脱力感だ。

 さっきはなんかよくわからなかったモネの庭も、終わってからみるとなんかラピュタの庭園みたいに見えてくる。「すべて」が終わった後の庭園で、ロボットがその命の続く限り手入れを続ける、そんなイメージ。そう、ここをロボットがピコピコいいながら歩いていてもおかしくない。通りがかった時は丁度園丁が庭の手入れをしていたが、彼を見ながらS氏とラピュタの一節を思い出しながら喋ってみた。

「動いていない!」

「ずっと昔に、止まっていたんだ」

爆笑。おっとこんなところで爆笑していたら、ビジターセンターのトレーナーさんに怒られる。

地中美術館
開館時間:3月1日〜9月30日
       10:00〜18:00(最終入場17:00)
       10月1日〜2月末日
       10:00〜17:00(最終入場16:00)
休館日:毎週月曜日、火曜日および12月30日〜1月2日
     ※ただし月曜、火曜が祝日の場合は開館
     4月29日〜5月5日、8月13日〜8月15日は開館
入場料金:大人2,000円、子供(15才以下1,000円)税込み
       年間パスポート10,000円
※ベネッセアートサイト直島に一泊以上滞在する場合は滞在期間内の再入場可能。詳しくはフロントにて問い合わせを。

 ここから道を戻り、ベネッセハウスへ。地中美術館の異常さにすっかり頭をやれているので、何を見ても響かないし面白くない。基本的に「高校美術」の教科書を地でいくような基本的な作品が多く、きわめてノーマルな美術館のすがたを示しているような感じだ。おいらにはちょっとつまらない。地中美術館とベネッセの美術館、見るならこっちから見ないとつらいかも知れない。

 でも、柳幸典のバンザイコーナーには感動だ。今回は柳の代表作に2つも出会えて、うれしい。ここはつまらなかったので20分もたたずに退場し、キャンプ場で珈琲を飲んで一休みして、宮の浦へ戻る。

ベネッセハウス◆入館料1000円 8ム21時

 宮の浦には何カ所か食べるところがあるが、選んだのは「ふじ食堂」。ずいぶんと小さなコンクリートの箱がそのまま食堂になっていて、いかにも「島的食堂」。入ると小さなおばあちゃんがせっせと準備をし、奥で補聴器をつけたお爺さんが鼻をかんでいる。ヌードポスターが壁に貼られ、その向かいには神棚が。お爺さんとお婆さんは仲がいいのか悪いのか、たぶん耳が悪くて少し耄碌しつつあるお爺さんに苛立つのか、お婆さんが何度も怒鳴るのも微笑ましい。カレーライス(500円)はジャガイモがなくなるくらいに煮込まれていて、うまい!

 次に家プロジェクトと屋号プロジェクトをやっている本村地区へ。宮の浦とはうってかわってなんだか大きな家や仕舞のきちんとした家が多いのが印象的な集落で、この町並みの中に「南寺」「角屋」などのアートスペースが散在する。ただ、町歩き好きのおいらにとっては、思ったより「普通」の町歩きに終わる。サインもかわいらしいし、町並みもキレイなんだけど、逆に発見して楽しい部分は少ない。サインがきちんと付いていることで、むしろその家への探求心が失われるような部分もあった。町歩きという面では、意外と宮の浦の方が良かったりするかも知れない。

ただ、集落を見下ろす高台にある八幡神社は良かった。これは屋号でもなんでもないのだが、大きな楠の下をくぐりぬけて上がっていく参道は素晴らしい。少しだけくねくねとした道成に山門があらわれ、これを抜けていくと突然本堂へ到達する。本堂の裏を入っていくと「家プロジェクト」のひとつである「護王神社」があらわれる。

 そして「南寺」。本当に光も何もない、真っ暗闇の部屋の中で5分ほど待機すると、朧気に光が見え、その光へと向かう波紋が見えてくる。自分には音も聞こえてくるような感じがした。狭い空間のはずなのに、無限の広さを持つ空間のようにいつの間にか錯覚し、方向感覚の一切がなくなった。恐るべしジェームス・タレル。

 最後は「角屋」へ。原美術館以来の宮島達男との再会。なんかこの人の作品は言葉にしがたい。柳幸典と宮島達夫はやっぱり好きだけど、好きに言葉はあまりいらんのかも。

  さて、そういうわけで思ったより早くに直島の全行程を見終え、3時過ぎには港へと戻る。しばらくお土産などを買い込んで、4時の宇野行きのフェリーに乗り込んで本州上陸。結局ここからだと高松にまっすぐフェリーに乗ろうが、宇野経由で瀬戸大橋に乗ろうが、それほど値段に差がないのだ。それに4日間も旅を共にするとさすがに別れがあまりに寂しいので、S氏を岡山駅まで見送ることにしたのだ。

 それに、94〜96年に岡山の大供交差点にあった「自由工場」の跡を見に行きたいというのもあった。この場所では、間もなく取り壊されるビル全体をアートの実験場としていた場所。唯一の恩師で現京都市立芸大の井上先生が主催していたプロジェクトで、ビルと一緒に消えゆく作品を展示したり、ビルの欠片を使った作品をつくったりと、たくさんのアーティストたちが自由に、様々な方法で作品をつくっていた。おいらやS氏も94年にB氏と一緒に来たことがあって、自由工場の写真を建物に埋め込んだりしていたことがあった。

 でも、もう当然ながら跡形もないし、どこにあったのかももはやわからない。11年という歳月はこんなにも!と思えるのだった。

そして、疎遠になったり近くなったりしつつ、11年以上もご縁が続いているというのも不思議というかうれしいねえと話したりしつつ、S氏を見送って小旅行は終了!

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四国漫遊記-3【イサムノグチから猪熊弦一郎まで】

4月5日。本日は7時前に起きて8時に高知を出発。目指すは牟礼の「イサムノグチ庭園美術館」。完全予約制で20名ずつの観覧というなんとも「美術館しからぬ美術館」だ。

 高知道の4車線化がほとんどの区間で終わったこともあって、高松まではわずか1時間の道のり。ずいぶん近くなったもんだ。9時半頃には美術館前に到着。ツアーは10時からでまだ余裕があるので、のんびり美術館の周りを回ってみる。

  あたりは牟礼の石工の家ばかりで、あちこちに大きな石が積まれ、ところどころで石工がノミを振るっている。まさに職人の街という感じで、美術館はその少し奥まったところにあった。10時からツアーがスタート。でも写真の撮影は作品、建物とも全て不可で、当然触れることも不可。著作権の保護、作品の保護の点からご了承をと念を押される。なんだかなあ。

 んで、入館。大きな石に囲まれた庭の中に、イサムノグチの彫刻群が並ぶ。しかし札幌のモエレ沼に行った時もそうだったけど、なんだかいまひとつ理解不能(泣) むしろ工房蔵にそのまま置かれた工具の数々や、札幌大通り公園に設置された滑り台の模型とかに興奮。作りかけの彫刻はなんだかよく分からない感じだった。

 一番良かったのは、イサム家の裏の高台にある公園のような空間。2,3の彫刻が置かれているだけで、あとは起伏差の激しい芝生の広場になっている。てっぺんからは牟礼の街や屋島が一望できて、もしツアーが「一時間」という限定ものでなければゆっくりしたい感じ。でも美人ツーリストは笑顔で「写真は申し訳ございません」という。なんだか欲求不満になってしまいそうだ。

イサムノグチ庭園美術館◆入館料 2000円

お昼はGajaでも紹介されていた「山田屋」で讃岐うどん。ホントは自分でネギを刻めるようなワイルド系讃岐うどんでも良かったけど、のんびり食べたいのでこちらへ。11時くらいに着いたのでお客さんもまばらで、売り物の庭園を眺めながらぶっかけうどんを食す。

お次はお約束の北浜AlleyUmieへ。はじめて海辺の席に座ってみる。数分おきに出航するフェリーを眺めながら珈琲を飲める特等席。少しテーブルは狭いけど、店内の他の客とかもあまり気にならないし、なかなかいい席だった。

西へ走って坂出・宵待草へ。SAVVYの四国特集に出ていて前から行きたかった店のひとつ。ここでホーローの洗面器?を1000円で購入。店主の方によると、ホーローを買っていく男子ははじめてとのこと。何に使うというわけではないが、子どもの頃からホーローの器は好きだったので、ついつい。

 夕方には丸亀・猪熊弦一郎美術館へ。猪熊は自分もS氏もこれまで何度も見に来ているので、常設はすっとばして企画展「風景遊歩」へ。期待は全くしていなかったのだが、さすが猪熊と唸らせられる内容。おいらが一番好きな作家である柳幸典(高知県立美術館には代表作ヒノマルイルミネーションがある)の「アントファーム」シリーズ(砂で作った国旗を生きた蟻が崩していく作品)にまず興奮。各国の国旗が浸食され、各国の国旗の色が他の国に混じっていく。面白いし、考えさせられる一品だ。
 さらに会田誠。作品の中に誤字があったのは愛嬌としても、日本画家の作品とは思えない強烈な作品。そしてやなぎみわ。エレベーターガールの作品で、S氏によるとセットを作って撮影する大作なのだとか(最後に合成する)。
 さらに、意外に小野博。はじめて見る人だったけど、写真に付けられた宣言文がとても良かった。高知遺産のテキストにそのまま使いたいくらい。高木正勝。昨日の晩11hwとS氏にこれでもかというくらいオススメされた映像作家。確かに気持ちよくて、ホールでは見ながらうとうと。

MIMOCA 「風景遊歩」◆3/13〜6/12(会期中無休)

 本日の泊まりは塩江温泉さぬき温泉。安かったのでここに決まり。ところが今日は温泉は8時までの日らしく、客はほとんどいないような感じ。露天風呂は貸し切り状態だけど、あまりにも人がいなくてなんだか落ち着かない。部屋はさすが5000円かなあという感じの狭い部屋で、携帯もどういうわけか入らない。しかも布団やタオルなどすべて一人分。あれ〜と思いながらも先に風呂を上がって部屋でのんびりしていたら、そこへ風呂から上がってきた間違える旅館の方が来室。部屋を間違えていたのだという。おいおい。

 新しく通された部屋はかなり広い部屋で、景色も前の部屋よりは良し。内風呂もユニットとはいえでかいし。だけど普通間違えるか〜? かなり笑えたが、むしろ「間違っていた」ことをきちんと伝えてくれる潔さに感心したし、妙に好感度がアップした。

 しかも火曜日はとにかく「お休みモード」らしく、館内のレストランは18時で終わっている。着いたのは7時前だったのでどっかメシ食えないかと聞くと他の旅館のレストランがたぶん開いているとのお返事。コンビニもオススメしてくれた。おいおい。でもこの潔さはやっぱり○かも。

 んで、コンビニまで走って酒と弁当を買い込み、お笑い番組見ながらゴロゴロと。まさか旅館でコンビニ弁当食うことがあるのかと思うとまた笑えた。

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