仕事がらみでも、また友人関係でも、工科大とはなにげに縁がある。
最近もチョコチョコ工科大へ行くんだけど、なんだか不思議なのが、この大学の人々が共通して持っている「自信」。
自信を持っているのがアカンとかそういうのではなくて、なんでそこまで自信があるんだろうというフシギ。
研究力や教授陣のレベルの高さは確かに間違いないけど、この大学で出会う人の多くはなんだか自信を持っている。誇りを持っている。

おいらは、京都の北白川にあるしがない芸大を出たんだけど、別に大学が好きじゃなかったし、大学や研究への自信は特になかった。
当時の専攻だった環境デザインの分野でもそのまま仕事ができるようなレベルじゃあなかったし、目の前にある「天下の京大」から出てくる『自信持ちすぎてもどうか』と思わず突っ込みたくなるような学生たちをつぶさに見ていたので、そういう考えがミョーに醸成されたのかも知れない。
また、どちらかというと「名物教授」で学生を呼んでいる傾向のある大学で、肝心の教育プログラムという点では、少人数教育の利点以外にはあまりメリットがある大学じゃなかった。
工科大とは逆だ。

また、事務局や先生たちの立場がそれほど強くなくて、全体的に放任教育的な感じがあった。
これもちょっと工科大とは逆な印象。
まあそれは芸大という特性もあるし、おいらがそういう態度で授業を受けていたからかも知れないけど、そんなこんなで工科大で出会う学生たちほどの「自信と誇り」は持つことがなかった。
工科大で出会う学生たちに多いのが、高校時代は目標もなかったけど、大学に入って一気に目覚めたという声。
そうした言葉を聞くたんびに戸塚ヨットスクールみたいと思ってしまうんだけど、そういう学生たちにきちんと役割意識や目的意識を育てることに成功していることで、学生に強い自信を与えているのかも知れない。
普通、大学へ入って目標を一気に失いました!という人がどちらかという多いことを考えると、こういうことは希有な例なのかも知れないし、また工科大の大きな強みといえるだろう。
羨ましいのが半分と、ちょっとフシギなのが半分と。
これはどうにも北白川的な考え方、ぽい。