まるで仕事のように、イベントをやるかのように動き続けた3か月。
いつか忘れていくだろうから早めにメモっとく。今後濱長さんで式を挙げようという方はどうぞ最後までお読み下さいまし。まずは新郎編。

※写真は後日追加します。
なんで濱長さんか
基本的には、メチャクチャ結婚式やりてえ!とおいらは思っていたわけじゃあない。だけど、ここだったら絶対やりたい!と思ったのが濱長だった。もともと濱長はおいらの祖母が大好きな店で、最後に意識を失って倒れたのもこの店だった。その後祖母は3年近い闘病を経て亡くなったのだが、そのことがひとつ。

父や仕事関係の人たちが、多くこの濱長の再建に関わったということ。おいらは再建には一切関係がないけど、じゃあ濱長を「使う」という側で何かやってみたいなあと。それがちょっとした感謝の証にもなるのではないかと。そのことがひとつ。
そして、土佐の文化の塊だ、ということがひとつ。
この三つが揃ってはじめて、やりてえ!と思ったのが、去年の春くらい。

祝言式という呼び方にコンセプトが宿る

去年夏ころ、「祝言式」と呼び方を完全に変え、フツーの結婚式とは違うものをやる覚悟を2人して決める。まあひとことでいえば、とにかく楽しめて、忘れがたい中身の濃い~ものにしたいと。
結婚式と聞くと当たり前の感じになるけど、祝言式といえばそれだけでイメージがくすぐられる。何か変な感じ、何か起きそうな感じ。逆にいえば、当たり障りの無い結婚式のコンテンツは要らない、ということになっていく。「祝言式」というからには「結婚式」じゃない!わけで、おいらたち的には非常に使うのに覚悟がいる言葉だった。
ちなみに、祝言という言葉は実は中学時代に読んでいた「うる星やつら」でラムがあたるに『うちと祝言をあげるっちゃ』と追いかけ回していたのが頭に残っていたのが今に蘇ったものだったりする。

ドレスコードは和装である
高知でありニッポンであり・・・そういう式にしたいと。
招待状にはドレスコードとして和装をオススメした。その一行がかなり大きな一行だったという感想も多くて、実際7割くらいのお客さん、特に女性客のほとんどが和装できてくれた。実家のタンスから引っぱりだしてきたり新しく買ったり借りて来たり・・・実際に和装できてくれる人が多かったこと、これが一番うれしかった。

デザインは家紋がベース
印刷物の制作はもちろん2人とも専門なのでお手の物。
招待状は新婦が作り、当日の配布物や暖簾はおいらが担当。
招待状のデザインができた段階で、だいぶその後の内容のイメージが固まった感じがあったので、招待状は相当大切ですな。
家紋をメインにするのは当初から二人共通の計画で、迷いはなかった。「家と家との間を取り持つ結婚」ということを改めて考えるきっかけにしたいというのが理由のひとつ。
ちなみに家紋はフツーに使っても重いだろうと思う。一歩使い方を間違えるとちょっとヤクザっぽくなる。
結局この式で家紋が出て来たのは、招待状や席次表はもちろん、サンキューカード、玄関に飾った大のれん、樽酒の桝などいろいろ。今思えば箸袋や心付けのポチ袋とかでもやったら良かったような気がする。

タケムラ家、濱長さんにとって初めての式だからこそ
もちろんおいらたちにとっても初めての式、ということで企画から実施まですべて手探り。
初めてゆえとにかく段取りも全て決めねばならぬ。一般的な式の段取りを下敷きに、エクセルで5分刻みのスケジュールシートを作り、それぞれの人が何時に入り、何時に抜けるかまで計画。また、座席配置では一人当たりの座席幅まで考え、テーブルごとに面白い組み合わせになるような仕掛けもできるだけ入れてみる。ちょっと変わった結婚式用プランナーになれるのではないか、とすら思い始める。濱長専属の。

女将、若女将のアイデアはどこまでも深い。濱長さんからの提案はテーブルや高砂の設え方、料理のアレンジをはじめ、屏風の使い方、入場の仕方などなど仔細にわたる。新郎新婦が桝芸に参加することになったのも、三味線をバックに入ることにしたのもそう。こちらがちょっと遠慮していても、どんどん次から次へと提案をしてくれるのが嬉しい。

そして、そのアイデアに対応するために、おそらく三味線方や芸妓さんたちは山ほど練習を重ね、スタッフの皆さんは前日はほとんど寝ずに準備にあたったというから頭があがらない。おそらく若女将にどやされながら・・・。担当者さんも、初めてなのにいろいろとやってくれた。イラレなおいらにたぶん何度もムッとしたと思われるけど、ホントに感謝。
とにもかくにも、フツーの式だとビジネス的にいろいろ宿題を出されたりして(業者さんが完全主導権握って)作る結婚式じゃなく、双方がネタを持ち寄って作り上げた感じだったので、やってる側も面白かった(しかしかなり大変ではあったが)。
たぶんこれから先、濱長さんで執り行われる式は増えていくだろうけど、確実にどんどんパワーアップしていくのだろうなあと思う。

とにかくもてなしてみたい・・・真面目だけど遊ぶ一部(15時~17時30分)
仕事関係や親戚を中心とした一部では濱長さん総出の三味線演奏にあわせて入退場。三味線や太鼓、鐘の衆は全員会場入り口の襖の裏に待機。登場前、みんなの緊張した、でもなんかワクワクしたよーな表情がいい。んで、襖がガラリと開いて入場。
・・・ちなみにリハは直前の一回だけ。その後祝舞を市丸さんら芸妓さんが披露してくれるが見事!
式には、絶対にやりたくなかったケーキカットはないけど、芸妓さんたちと一緒に桝芸を披露。練習はこれも一度だけ。ちょっと大きな桝で床を叩いて音楽のように奏でる簡単なものにみえるけど、見た目よりもかなりこれがしんどい。指が痛くなる! でもやってておもろい。そしてなかなか観る側も飽きないとのことだった。
樽割りの酒は司牡丹の樽。中身はただの純米じゃなく、木桶の香りのするお酒にしてもらい、新調した桝の香りと一緒に酒を飲んでもらった。これがなかなか美味い。両家の家紋入りの桝はお土産に。
料理は皿鉢を中心に組み立てていただいて、各自の銘々皿に取り分けてもらう形に。どうせみんな会場内ウロウロするだろうし、やっぱり土佐の宴の基本はコレなのだ。
テーブルの花は一部・二部ともに一ツ橋の花と器SUMIさんにお願いして、スミさんのセンスでビシッとやっていただいた。で、さすが完璧!もうこれ以上ない美しさ。変な花が一個も入ってない!
ちょっと後でしまったなあと思ったのが、一部と二部との間が詰まり過ぎていて、従兄とも話す暇がほとんど無かったということ・・・もう少し時間を空けるべきだった・・・

とにかくもてなしてみたい・・・てんこもり二部(19時~22時30分)
二部は友人だけの部で、両親は飛び入り参加制。
料理は七輪で焼いてもらったりいろいろ。普通の式で出るような肩肘張ったものじゃなくて、酒によく合うような料理のイメージ。
で、酒は一番おいらが好きなアリサワの文佳人オンパレードで、最近お世話になりっぱなしの山根さんデザインのリズールをはじめ宇宙酒や一番好きな純米吟醸などなど7銘柄(くらい)を揃えた。そして高砂に一番いい酒(純米大吟醸原酒)を置いて、こちらが注ぐというしかけにしてみたがなかなか好評。大吟醸原酒は、もうこのまま倒れてもいいというくらい美味・・・! おそらく高砂に酒をもらいに行く制度の結婚式はそうそうない。これはアリサワさんからのありがたい提案だった。
いわゆる余興部分も豪華。松山からyummydanceの皆さんがこの日のためのダンスを。やっぱり最高。頭にヅラを付けて登場し、各席にもちょっかい?をかけながら踊りまくる。そして一部と二部の間に短い打ち合わせをしてほんの数回だけ練習したダンスをおいらも踊る。最初のうちは一昨年高知公演でもやってもらったknewmanのフリで、そこからタケムラソロパート。ほぼドリフみたいな簡単な踊り?だけど、人前で踊るなんぞもちろんあるわけでもなく、もうやるしかないという気持ちで中央突破。従妹は「なお君が踊った」とかなりビックリしていたらしい。
続いて海月館家族によるライブ。たねりの笛にあわせて短い一曲。とてもかわいくて、とても幸せになる。泣ける。さらにソコノヘヤ楽団によるライブ。龍馬に扮した革パン先生が読み上げる教訓?にシバシがびしばしツッコミ。歩屋の歩美さんのウクレレと圭夏さんの三線、佐野君のカホンにあわせ合唱。これがまたシアワセ。たった2週間ほど前の依頼だったのに、本当にありがとうございますです。
その後は各席に芸妓さんに入ってもらい、ベク杯で遊んだりいろいろ。ここらへんはおいらたちは高砂だったのであまりわからないんだけど、かなり楽しかった模様。普段飲まないヒトたちも酒の美味しさも相まってベロベロの神様が降りて来たとか、ある人は「子どもをつくろう」と芸妓に迫られたとか・・・。
まあもうその他いろいろあるわけですがこんな感じで約3時間ちょっとの二部もあっという間に終了・・・!

まだまだいろいろ。たくさんのヒトのお世話になったのだった
今回の式では、ホントにいろいろな人のお世話になったのだった。
仕事やプライベートでいろいろお世話になっている人たちばかりだけど、本当にこれらの皆さんあっての式だった。知り合いだからこそ無理も言えたような気がするし、逆に自分たちが思いもつかなかったようなアイデアをどんどん盛り込んでくれて、勉強になるやら楽しいやらなんやらかんやら。本当にありがとうございました。

着付けや新婦の髪づくりは「balle」のyucoさん、
花と飾り付けは「花と器SUMI」の関川さん、
音楽の選定や機器の設置は「terzotempo」の佐野さん、
酒は一部が「司牡丹」さん、二部が「アリサワ」さん、
引出物は一部が「giggy2」さんと「miette」さん、
二部が「ギャラリーエムツウ」さん。
司会進行は一部が「じゃらん2モーニング(テレビ高知)」の藤崎さん、
二部がエフエム高知の小原さん、
新婦の着替え後の衣装が京都の服飾デザイナー・ヤマモトチカさん、
写真はkプラスの撮影もしている河上さん、
エムツウのカレンダでもお世話になったミヨシカメラの三好さん、
前の職場でいつも一緒していた門田幹也さん、
入り口の家紋大のれんを作ってくれた土佐山田の「ハチロー染工場」さん、
印刷でかなり予算的無理を聞いてくれた「弘文印刷」さん、
最後に宿はやっぱり「7days Hotel」さん。

・・・ほとんど皆さんホームページがありませんが・・・
以上、新郎編。

また写真が上がって来たらいろいろと思い出しそうなので、その時にまた追記する。
(引出物、髪など新婦編へつづく)