「競り」というものはいつ見たって面白いのだが、何度見たって何が起きているのかさっぱり分からない。ずらりと並べられた魚を魚商人たちが目利きをし、いくつかの符丁や札をやりとりしはじめたかと思うと落札者が決まり、ものの一時間もしないうちに市場から魚もろともいなくなってしまうんだからわかるわけがない。

今朝撮影でお邪魔した中土佐町土佐久礼の競りもそうだった。

市場内にずらりと並べられた籠に入っているのは、昨夜から今朝のうちに一本釣りされたばかりの日戻り鰹。プリプリの鰹だと一つの籠に二、三本、小さな鰹だとまとめて十本とかの単位で氷もろとも入れられている。他にも傷つきのものはアゴ、オバ、ツキなど状態別にまとめられていたり、一本釣りでかかったマグロやシイラだけが入った籠なんかもある。

久礼の競りはものしずかで、珍しく朝5時なんかに起きたもんだから眠くてボーッと見ているうちにあっというまに進んでいった。魚商人の大半はおそらく顔見知りさんだろうからガツガツやりあっているようには見えないけれど、聞けばものしずかな中にも駆け引が繰り広げられているのだとか。

競りの後は、魚屋さんに移動して鰹のアー写を撮影。そんなこんなで今日は人生で一番鰹の顔を見た日になったけど、細身にプリプリ、垂れ目にしゃくれ、男前にワイルド系など、おなじ鰹でもいろんな顔があることを改めて知る。

ちなみに良い鰹を見分けるポイントは鰭やら尻やら口元やらいくつもあるようなのだが、何人かに聞いても少しづつ見ているポイントが違うようにも見えて・・・もう何かなら何まで奥が深すぎるのであった。

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