本日はチャリを借りて一日中のんびりひとりで京都逍遙。

10時前に家を出て、特にあてどもなく寺町へ。

まずここで柳桜園(御幸町二条)のかりがねほうじ茶を購入。これがうまいんだ。ほうじ茶でこんなに美味しいお茶を飲んだことがない。実はもう1缶持っているのだが、なくなったらいやなので購入。。。缶には鳥獣戯画の兎や蛙があしらわれていて、このパッケージが国立博物館の鳥獣戯画現物を見て鼻血を出しそうになったことがあるおいらにとってはたまらない。

それから和紙屋さんとか覗いてみるも寺町の朝は少し遅いらしくてまだ全体的に閉まってる。三月書房も自分の欲しい本はあまりなかったりしたし。

仕方がないのでブラブラと川端二条方面へ。ここは92年から93年にかけて暮らしていたエリア。「新」先斗町というこの界隈に特有の町名(このあたりは中京や上京あたりの町名に「新」とかをつけただけの町名が多いのだ)にある小さなマンションで、93年に同じ階の一室が爆発炎上したのをきっかけに引越した(この日は当時同棲していた相手先から帰宅すると白いはずのマンションが真っ黒になっていて、気付かなくて通過してしまった。気付いた時は当然唖然。)。

それからブラブラ東山三条へ抜けて古川町商店街を通過。京都でも特に下町の強い商店街で、よく京都に居たときは来ていたのだが、やっぱりここもまだほとんどの店が閉まっていた。

そして祇園。ここは10年前とあんまり変わらない感じ。

鴨川を渡って木屋町。ここはアツ氏が「Follow Me!」とかいいながら転倒し、約3m飛んだ伝説の地(自分たちにとってだけだが)。ここでチャリを停めて河原町へ。丸善で本を探して何冊か京都本を買い、昔ホントによく通っていた鰻のかねよで昼食。当時はものすごく美味しく感じたんだけど、高知で蒸し系の鰻を食べてる身からするとなんだか少し硬い感じがする。でも雰囲気は最高で、やっぱりお気に入りの店なのだ。

かねよ
新京極六角 075-221-2020
そしてアンデパンダン(御幸町三条)。同時代ギャラリーで作品を見て、地下でCDを探す。京都のリノベーションの嚆矢ともいえる建物で、地下のカフェはおいらが好きな「mama!milk」の本拠地みたいなところだったりする。昨日F氏からmama!milkの新しいCDを聞かせて貰っていて買おうと思っていたのだが、なぜかここのCD屋さんにはなかった。残念。
それにしても京都、だいぶ変わった。蛸薬師とかは知っている店はほとんどなくなってるし、御幸町もずいぶん店が増えている。三条も過剰な町屋リノベだらけ。昔は三条といえばイノダコーヒーと博物館くらいしかないイメージだったんだけど。。。一昨年新風館を見に来た時よりもさらに店が増えた印象だ。
疲れてきたのでチャリに再び跨って寺町へ。途中鳩居堂で葉書を買って、ブラブラ御池通を超えて北上。ここでOUT of TIMEという店を発見。ホーローの洗面器があったので覗いてみたのだが、なんだか面白い服がいっぱい。聞いてみるとシーツや軍で使っていた布地とかを組み合わせて、しかもその布地の風合いやヨレをそのまま使ってお店の裏の工房?で縫製したものなのだとか。マスターもなんだか色々と親切にしてくれて、合わせ方とかも丁寧に指導してくれる。どうもおいらが赤岡のおっこう屋で購入した草履とエムツウでだいぶ前に購入していた麻の袋、京都の西陣で買った梅柄のパーカーとなんだか変な恰好をしていたのが気に入った?模様。というわけで恐竜柄のTシャツと不思議な上着を購入。

OUT of TIME
夷川通寺町西入ル丸屋町 075-212-2134
だいぶ時間もおしてきたので、室町蛸薬師の京都芸術センターへ。ここは廃校になった小学校の校舎をそのまま施設に転用したもので、京都のリノベーションの代表選手だ。そしてなにより相変わらずアートの一大拠点。まああちこちでいろんなことしてますわ。資料室でニュースペーパーをごっそり入手。さらにここが出している評論誌も数冊購入。
アートNPOを高知でつくる予定という話をスタッフの方にすると、また色々一緒にやれたらいいですねとのありがたいお言葉。ここは京都市がバックについているということもあってかなり立派。高知の場合どこまでできるか分からないが、ぜひにぜひに。
さてだいぶ疲れて参りました。というわけでいよいよ北上。京都御所で休憩。あんまりここ、京都に居た頃はこなかった。おいらにとって京都で一番和める場所は鴨川であって御所ではなかったのだ。でも今くると、なんであの頃あんまり来なかったんだろうと不思議に思う。「おーい!竜馬」で姉小路公路が殺された猿ケ辻も思ったよりでかいんだねえ。

さらにさらに北上。河原町今出川のヴォイスギャラリーへ。ここは学生時代毎年写真部展をやらせていただいていた京都の名門ギャラリー。97年には10周年記念の企画展「ことばのはたらき」に写真を出させてもらったこともある。
オーナーの松尾さんはいま市立芸大におられる恩師・井上先生と並ぶ「おいらの師」のひとり。以前ダムタイプの講演があった時、ダムタイプに松尾さんが同伴してきて、追手筋の「もんく」でお接待したこともあったりする。
さて、松尾さんは厳しい人なので怖がる?人も多いけど、ホントに暖かい目で、また厳しい目で京都のアート事情を見つめている。。。アートNPO創設後はぜひに講師で高知にきてくださいねとお願いした。。。高知のような小さな町だからこそNPOが必要といえますねとも。

ここから東へ。出町柳、百万遍と学生時代の4年間毎日のように通った道のりをゆく。ここらへんはあんまり変わっていない。京都に来る時はだいたい車でこのへんは走るんだけど、チャリでウロウロするのは8年ぶりなので、まーとにかく何もかもが懐かしい。
そして北白川疎水を北上。琵琶湖の水を引いてきて、南禅寺あたりから北へ分水している京都の命の水。大きな木々に囲まれた川沿いの小径はほんとに当時と何も変わっていない。まるで10年前に帰ってきたみたいで、うれしいやらなんだか寂しいやら。
そして「高知遺産」を置いて貰うためにガケ書房へ。ここは最近恵文社よりも元気と評判の本屋さんで、取扱を快諾してくれた。ただ取引条件は厳しい・・・ちなみに沢マンの本もあった。店員さんも沢マンがえらい気になるらしく、いろいろと説明すると喜んでくれた(?)。
すっかり夕方模様である。昨日お会いしたMK氏のお宅に休憩をかけてお邪魔。ここは紅葉で知られる真如堂の境内にあって、墓と桜と紅葉に囲まれた家。だいぶ家は傾いでいるけど、とにかくいい感じで、ここの家が大好きというM氏の言葉には頷くばかり。いいねやっぱり古い家は。優しいし、気持ちがいい。こう書くとなんだかクウネルくさくてちょっと安っぽくなるけど、こういうところで暮らしているとたぶん毎日が楽しい。沢マンも楽しいは楽しいけど、こういう楽しさはないなあ。。。などと思ってみたり。
ここでM氏の過去の仕事ファイルを見せて貰ったり、家の紹介をしていただいたり。K氏のつくったランプシェードも一目惚れ。シェードが「溶けだした」かのようなフォルムの、樹脂でできた面白いランプシェード。いつか購入させてくださいね。
また、M氏のファイルはなんだか色々と参考になりそうだったので、貸して貰った。大和郡山の金魚コレクションを持つ「紺屋」での一連の広報やイベント計画の流れが一杯で、仁淀川や絵金蔵、TACOなどと通じるものがあったのだ。。。M氏とはこういう知恵や知識の共有も大切ですなあという話なども。

ここで夜に。再び河原町へ戻り、C氏と合流。「京のおばんざい」を食べられるという柳馬場三条の店をみつけて入る。どれもこれもうまいし、店員さんもとっても愛想がいい。なんか京都の店って冷たいところばかりじゃと思っていたけど、最近はこうなのか??