以前「なぜ高知は関西を直視しようとしないのか」でも少し触れた、民主党の目玉的政策のひとつ、高速無料。これってどうかと思う。

一見なんかドイツみたいでいい感じはする。耳障りは悪くない。本来高速道路はいずれ無料にする予定で作っていたんだし、その「いつになるか分からん予定」が前倒しされただけというか。

でも、既に週末1000円割引だけで瀬戸内のフェリーが壊滅的被害を受けていたり、JRが軒並み減収したりと、当然ほかの公共交通はその皺寄せをもろにくらっている。

まあ単純に思うのは、通行量で償還するべき建設費を「無駄遣い」の削減でカバーするのなら、償還分はその通り無駄遣い削減できちんと返済してもらって、今まで通り通行量は取ってor安くして福祉や介護、地方といった予算不足のところに回して行ったほうがよっぽど健康的?ということ。京都議定書のこととか考えても。

もし高速王国と化しつつある四国で高速が無料になったら、JR四国なんてホンマあっという間に潰れるんじゃないか。船で九州に渡るというのも、へたすりゃできなくなるんじゃないか。旅に出るにはいつでも自分が車を運転しなければいけないのではないか? 年寄りになったらどーすんだおい。子どもの車に乗ってor高速バスでしか旅に出れないじゃねーか。それどころか、航空路や高速バスだって厳しくなるかも。

結局高速がタダになれば、JRや地方空港、フェリーといった公共交通への補填もいずれは大きな負担になりかねない。CO2排出枠の買い取りなんかも出て来るのだとすれば、もーこれはまさに薮蛇。

これから団塊世代が一気に高齢化していくという国で、この政策はいいもんとはあんまり思えない。ETC1000円でも明確になったように、なるほど観光では効果があるだろうし、流通面でもコスト安につながって経済の活性化に一面ではなるかもしれない。だけど、地方、特に高速道路沿線以外の住民にとっては、ただ足をひとつ、またひとつともがれる、はじめの一歩になるだけのようなことになる気がする。四国のような田舎はハシッコから崩壊するだけ。

せめて今の週末1000円を永続化する、そのぐらいで十分。

ただ、ひとつ気になるんは、ドイツのアウトバーン(通行無料 ※有料化検討中)とドイツ国鉄はどうやって共存してるんだろう?ということ。