まもなく投票も終了。日本の分岐点。何も後先のことを考えず、「破壊」されることに快感を感じる国になるか、せめて後先考えて、「破壊」ではなく「立て直し」を第一においた国になるか、その分岐点。
今回の選挙、まるで「郵貯が解放されて、どのようになるのか、それを見てみたいか、見てみたくないか」ということだけを選択させられた選挙だった。
でも、周りの知人やネット上をみていても、今回の選択がおそらくとっても重要性が高いということは分かっていても、それでもし失敗したとしても「まあ元に戻るでしょ」と考えている人が多いことが気がかりだった。
郵貯が解放されれば、日本経済が刺激されるかもしれないし、されずにアメリカさんに食い荒らされるかも知れない。それは自民党を選ぶか民主党を選ぶかの、今回のひとつの違いになってしまったわけだけど(本来、それだけが争点になるのはおかしい)、自民党支持者はこれでもし狙い通りにならなずに「変なことになっても」、まあなんとかなるだろうと思ってはるらしい。
郵貯から年金、憲法、イラク、自衛隊、アジア外交といったことも今回どっちを選ぶかでずいぶん変わるわけだけど、それでもし失敗しても大丈夫だろうと。郵貯だって、解放してダメならダメで自浄能力も働くだろうし、そこまで日本は弱くないと。戦後日本だって、たった10年で元に戻ったじゃないかと。
うーん。

でもさー、もう弱いじゃないですか、日本。どうあがいてもこれからの50年間は世界史上最速の人口減少社会に日本は突入するわけで、どうあがいたところで今までのような「経済大国」であり続けることは難しいわけじゃないですか。今までとはそもそもの国体の前提条件が異なっていくことになるのに、それが抜けてる。どうあがいても、壊れて「元に戻す」国力は、もうこの先なくなっていくのが明らかなわけで。。。
これは「方向性」としての話だけど、自民党が一部の富裕層が国を引っ張るアメリカモデルの社会をつくるのだとしたら、民主党や共産党あたりはある程度社会主義的に国全体を守るヨーロッパモデルの社会をつくろうとしたんではないかと思う。
おいらは、今の段階では一応建設業界に籍をおいているので考えることとしては、批判される公共事業のこともおざなりにはできない。建設業界はまあこれまでの慣例も含め、自民党支持であることが多いんだけど、これから先の人口減少社会では、自民党型の公共事業(いまなお整備新幹線に高速道路、その他地方も含め大規模な交通インフラ/都市基盤整備は自民党が強く唱えてる)が業界にとって「いい話」になるかどうかはちょっと疑問がある。
まず、アメリカモデルの前者とヨーロッパモデルの後者とじゃあ、出てくる公共事業は全く違う形になるのではないだろうか。前者では、引き続き整備新幹線などのインフラ整備や都市再生、無意味な干拓やダムなどの事業に重きを置くことになるだろう。これは、まさに中央集権を支えるための極大インフラ整備であり、自民党がこれまで50年にわたり続けてきた政策そのものだけど、人口減少社会+経済縮小社会下では費用対効果が薄くなるだけだ。四国に橋を三本もかけたのがその一番のいい例だし、いまさら航空路の整備された札幌に「北海道新幹線」を通そうということがコレから先の、一番いい例。。。
そして、後者では、金はそれほどかからないけど、経済力の低下による人口移動の減少、生活場所や生活様式そのものの多様化にあわせ、より身近な小規模な災害防止や、自前エネルギーの開発などの環境、自前食糧資源の確保のための農業林業基盤の整備といった、小さいけれど持続的な効果がある必要なライフスタイル整備?に重きをおいたものになるのではないだろうか。民主党が考えているかどうかはしらんけど。これは、まさに地方分権型の分散型インフラ整備で、いわば江戸時代までやってきていた政策そのもの。インフラは十分これまでの時代で整備できたので、これからはそれはそれで使いながら、地方単位でお金をかけずに暮らせる仕組みをつくる、というわけ。
まあむろん、こんなに事は単純じゃないだろうし、いろいろ不勉強なので何か前提が飛んでいるかも知れない。だけど、現在のアメリカと欧州の国土利用をみていれば、その違いは一目瞭然だ。儲かるのは前者かも知れない。だけど、地方で貧しく暮らす人間としては、徐々にでも後者に移して行かないと、金もいつか尽きるんではないかとか思ってしまう。。。
あ、どうやら自民党が圧勝するらしいですね。
さて、農業でもする準備をしようか。
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