ダイエーの高知店が11月末で閉店ということが決まったらしい。もともと四国のダイエー自体が全て閉店ということになっていたから、まさに織り込み済みの話で、まあ特に驚くこともなにもない。ついにその日がやってきた! ただそれだけのこと。とはいえ、3年前の西武百貨店に続く中心市街地からの大規模店の撤退は、いくら集客力が底を打っていたダイエーといえど、商店街にとっては痛いことに違いない。
そんななか、ダイエー跡地の利活用について、相次いで提案が出てきている。
土佐経済同友会さんのダイエー跡地計画
高知大+図書館+百貨店(大丸)+大規模地下駐車場+住居の複合施設をつくったらどうぜ
帯屋町二丁目再開発検討協議会さんのダイエー跡地計画
追手筋小と老人施設+店舗/住居等の複合施設をつくったらどうぜ
ふーんと思っていたら、まるでタイミングを合わせたかのように、
今朝の新聞には高知県が女子大+図書館+県民文化ホールの複合施設を高知駅前の再開発地区に持って行くことを考えているという記事が登場。
なんだかにわかに盛り上がってきていますな。しかも図書館が大人気です。学校が大人気です。
西武は完全に蚊帳の外です。どーするんでしょう。
まあこうしたプロジェクトがこの先どうなるのかは分かりませんが、いずれも市街地の活性化や職住接近などによる中心部への人口回帰を目指す動きといえると思います。また、大学法人の再編で厳しい荒海へと放たれた高知大や、しばらく「改革」で袋だたき状態にあった女子大の立て直しというのも大きなポイントになっているような気がします。
しかし、これまで美術館や歴史民俗資料館をはじめとする文化施設、高知医療センターなどの医療福祉施設、高知女子大池キャンバスや高知工科大学を次々と郊外につくり、周辺道路の整備と中心市街地への巨大駐車場設置など、すっかり逃れようのない郊外型社会/自動車中心社会をこの高知は構築してきてしまっているだけに、ちょっと遅いよ〜というのがおいらの抱く感想です。
まあそれでも、文化施設や居住空間の中心回帰は歓迎すべきこと。これから先の人口減少時代における都市計画としては、街をコンパクトにまとめていくことがインフラ維持や防災防犯、都市環境といった観点からみても必要なことだと思います。
そういう意味では、これらの計画は夢絵図として見ていれば面白いし、時代の流れにもまあまあ合致していると思うんです。だけど、どうにも「大きければいい」という80年代的な開発思想が残っているような気も。現状のプランでは、なんだか全体的に夢に近い大規模開発に傾倒しているように見えてしまっているような気がします。そして、その開発場所周辺は元気になるだろうけど、まちなか全体が元気になる仕掛けにはなってないようにもなぜか見えてしまいます。
あまり大きい話になりすぎると、実現の速度にも影響するでしょうし、そうなれば「やっとできたけど、できてみたらまわりの商店街は・・・」てなことにもなりかねない(というぐらい危機感があるとみちるさんのブログを見ていてふと思う)。
また、こういう再開発が成功するかしないかというと、どちらかというと意外と「?」な部分も多いですよね。高松も松山も大規模な再開発をしたけれど、それが大成功しているかというとそうじゃない。それよりは、北浜アリーのように金をかけずに古い建物生かしてまちの端っこでなんか仕掛けたりしている方がよっぽど固定客がついていたりする。松山でもちょっと金入れ過ぎでおかしくなってきつつありますが、坂の上の雲に合わせてロープウエー街に若い人やおとりよりが混じり合いにぎわってきている。そういうのを見ていると、極端な開発はもう時代遅れでしかなく、「まちなか」全体として職住接近やおもろい店ができやすい土壌作り、人が自然ときたくなる場所づくりを考えて行く方が、長い目でみたら必要なのだと思います。
そこで提案。
ダイエー跡地とかは、逆にアーケードを外しちゃって、商店街の南側店舗から北の一帯をおおきな「森」にしちゃったらどうでしょうかね。高知はまちなかに緑がないです。人がのんびりだらりと集まっていられる空間もかなり少ないです。別に店をつくらなくても、気持ちがいい空間なら人はきます。なんでか高知は暑苦しい空間が多いですからね(泣)
この先の30年を見越せば、そんな思い切った転換もありなように思います。それに、こんな森の中に敷き詰められた石畳の小道でマルシェをしたり、森の中でラララをしたりした方が面白いんじゃないかとか思ったりもします。大丸をダイエー址に持ってきてもまちなか全体としてパワーバランスが変わるだけですが、ダイエーの址に今までまちなかに無かったものが生まれれば、それはまちなか全体のパワーアップにつながるはず。。。今の商店街の姿も自然と変わって行くでしょう。。。イオンの横にでっかい公園ができたりする前に、早めに手を打った方が(笑)
とまあ「絵空事」を書いてみましたが、要は商業施設でまちなかに人を呼び戻すのではなく、気持ちいい空間でまちなかに人を呼び戻す・・・そんな考え方もありなんじゃないでしょうかね。
正直、今の帯屋町には、気持ちのいい空間がありません・・・休むところはほとんどないし、木陰で休むなんてのもできない。夏のまちなかは、正直困りもんですもんね。熱いったらありゃしない! 柳町とか、正直歩けません。