これから先30年間にわたり進行する人口減少の時代にあって、日本の経済、地域経済がどのように変化をするのかを分析した本。
団塊の世代とJr世代の「谷」の大きさこそが高度経済成長を生むバネであったということや、「設備投資」が景気のバロメーターとなっている日本経済の問題点等、「なんとなく」思っていた疑問がこの本ですべて氷解。
また、地方に暮らす人間としては、高齢県として知られる高知や島根といった県がこれから先の時代、(高齢者の自然減により)労働力が相対的に上昇し賃金などの上昇が見込まれるということ、その一方東京など関東圏において史上稀に見る速度で高齢化が進行し(また、これを防ぐ手だてもない)、労働力や賃金の低下などにより「大都市の優位性」が確保できなくなるといった分析が興味深い。
とはいえ、それまでの期間・・・すなわちおいらたちの世代が働き盛りの時代は、どう贔屓目に見ても高知は「厳しい時代」になりそうだ。結局おいらたちの世代はバブルも終わった「失われた10年」の過渡期に就職を迎えた世代であり、フリーターも多いなど職能が高まっていないことが多い世代だ。また、これから景気が好転しても既に若くもないので新たな職を選ぶ選択範囲が狭かったりと、なかなかいいことがない。
なんとなく思うのは、高知は広い意味での地産地消を進めて、全国に組み込まれた経済から脱することが必要なんじゃなかろうか・・・ということか。