高知は山の国なのに、坂のある風景が少ない。登るのは面倒だけど、その先にある風景を考えるとついつい登りたくなる。写真は本山町。数年ぶりの大雪の日に仕事で訪れたついでに撮影。
で、そんなことを思いつつ高知の街を車やチャリで走ってみると、案外細かい高低差があることに気づく。寿町から宝町を経て万々へ抜ける道も、超微妙だけど緩やかな高低差がついている。産業道路を東に走っていても、やはり案外微妙な地形。洪水ハザードマップでは高知駅周辺で南西から東北へ洪水流路が描かれているが、これももしかするとかつて瓢箪川が流れていたあたりの小さな谷地形を辿っているものなのかも知れない。
かつての地形の名残がありますよ的な風景としては、大丸前のこんもり盛り上がった橋の跡や、追手筋公園の南方にある土橋の跡の盛り土地形がわかりやすい。が、そうした地形は高知市中心部では案外少ない。
街を歩いて楽しいのは、ずっと変わらぬ風景の土台でもある地形の変化を長い時間や時代と共に感じることができることだと思う。その上で、例えばそこに広がる家並みや景観、店舗などが加わることで印象深い街歩きができてくるように思える。大阪の上町台地や京都の東山がそーであるように。ブラタモリが面白いのは、その重層的な街の構造をあっさりと分析して見せてくれるからで、結構過激な地形だった江戸東京ならではの番組といえるかも知れない。