いまから18年前、日曜日がくるたびに家で友達が集まって飲んでいた。仮にも高校生なのでアレだけど、まあそうだった。そのころおいらが好きだった人もその輪の中におって、なんとかオトスべしとトニモカクにも毎週のように遊んでいた。

平日でも、まだケータイもポケベルもない時代だから、公衆電話や家電話、はたまた手紙での連絡の取り合いが普通だった。で、そうした電話のときでも、電話の向こうのその子と一緒にいた、もう一人の子がいた。
そのもう一人の子はいつもきちんとしたことを言う人で、時間がくれば「その子」に帰ろうといい、実際に帰る「力」を持っていた。

だから、当然男連中からは「もう~○○、そんなこというなや!」と一斉に冗談ながら罵られるキマリだった。
カラオケもまさに全盛期だから、本当にしょっちゅう通った。これはみんなでも行ったし、3人でも行ったし、まあそういう意味では、肝心の「その子」とは2人でなかなか行くことができないという、そんなおいらにとっては“困った”仕掛けだった。
それから19年、「もう一人の子」からお元気ですか、結婚おめでとう!とのメールが届いた。ホントに久しぶりで、また3人で落ち着いたら会おうや!というメールをやりとり。

で、その子が、一昨日亡くなったという。20年近くブランクが空いていた友人で、だけどのモーレツかつキョーレツな思い出の中でヒール役を自ら買って出て、「あの頃の飲み会」を思い出す上で絶対に欠かせなかった、もう一人の子。ずいぶんの時間を挟んで、その頃の話、今の話で盛り上がろうと約束をした、矢先。
なんか、ぽっかり空いてしまう。
彼女の日記を見ると、もし3人で会えたら、私は「浦島太郎かも」とあった。久しぶりすぎて、きっと2人の話を隣で聞いてるほうが多そうだと。そして、「ちなみに会えるのは今年になるやら来年か・・もしかして10年後(笑)誰にもわかりません」とも。
そんなこたない、みんな久しぶりでそれぞれ「浦島太郎」状態で会うはずだったのだ。次に会えるのは、だいぶ先になってしまった。浦島太郎でいいから、会いたかったです。
合掌